
Introduction
カブト工業について
1946年に大阪府豊中市で創業。自動車・航空・医療用の金属部品など、極めて高い精度が求められる切削加工において、高速回転する材料を正確に支え続ける部品をローリングセンターという。 カブト工業は、業界に先駆けてそのローリングセンターの「先端取替式」を開発。圧倒的な利便性と精度で国内トップクラスのシェアを誇り、日独米で国際特許も取得する日本を代表する技術集団。



feature article
お施主様の声
日本のモノづくりを表現する「兜」
80年の歴史を誇るカブト工業様は、かつて「片原機械製作所」として自動車部品の製造からスタートしました。その後、取扱製品を拡大していく中で、社名を変更。
先代社長の「目立ってなんぼや」という想いと、海外でも通用するようにという想いから、当時では珍しいカタカナを使い、現社名の「カブト工業」となりました。その後なんと、社名にちなんで美術工芸品としての兜も製作し始めたそうです。
そんな同社の歴史と精神が詰まった新工場について、片原勇社長と、建設を担当した株式会社ヨネダの江畑取締役(写真右)にお話を伺いました。

14年にわたる厚い信頼関係
片原社長と江畑様の出会いは2012年の1通のダイレクトメールに遡ります。
片原社長:「初めは事務所の改装相談から始まりました。建築が素人の私では難しい問題点が多く、困っていたところを江畑さんがとても真摯に対応してくれました。」
敷地全体のレイアウトや将来の計画、さらには行政との調整や建築基準法の紐解きなど、一筋縄ではいかない課題も、江畑様が粘り強く解決策を見出してくれたそうです。
そんな中、旧工場にも課題が。設備の増設などによる生産ラインの複雑化や、築50年の歴史による老朽化を解決するべく、新工場の計画が始まります。
片原社長:「新工場の計画は江畑さんだからお願いしました。江畑さんは、私の要望に対して、法律的な制限やコストの面から、時には『それはできない』と、はっきり言ってくれる。その上で、どうすれば実現できるかを一緒になって考えてくれるんです。」

完成した新工場は
片原社長:「外から帰ってきた社員が『ここ、寒いくらいですね』と笑うほど、夏場の環境が激変しました。集中して作業していると、普通は寒く感じる環境でも汗をかくぐらい、繊細さが必要な作業なんです」
さらに、外壁色にもこだわりが。メーカーとして、信頼感のある印象を持ってもらいたい。その一方で、周囲の住宅地とも調和させたいという配慮から、実際の自然光での雰囲気を参考にするために他県まで実物の建物を確認しに足を運んだそうです。
江畑様:「社長ご自身が口にされることはありませんが、社員の皆さんが働く環境を何よりも大切にされています。14年間のお付き合いの中で感じたその想いに、最大限に応えたかったんです。」
社員が存分に技術力を発揮できる場所を――。そんな現場の環境に対するストイックな片原社長のこだわりが、14年の歳月を経て、ようやくこの新工場で形になりました。

これからの課題は技術の継承
現在、カブト工業様は国内シェアのさらなる向上を目指しています。
他方で、片原社長が危機感を抱いているのが、日本の製造業における技術の衰退です。
「素晴らしい技術を持ちながら、様々な理由で廃業せざるを得ない中小企業がある。それは日本のモノづくりにとって大きな損失です」。
そう語る片原社長は、単なる買収ではなく、あくまで協業という形での支援を模索しています。技術者たちが誇りを持って働き続けられる場所を確保し、失われゆく高度なノウハウを次世代へ継承していくこと。
それこそが、モノづくりを事業とする企業としての使命だと考えているそうです。
技術と人を大切にする兜のマークを掲げたカブト工業様の挑戦は、これからも続いていきます。

株式会社ヨネダ
取締役 神戸支店長 兼 名古屋支店長
江畑 賢拓 様
昔弊社の本社事務所が災害により水没してしまった時に、片原社長が御見舞いに駆けつけてくださったことがあります。とても有難く、忘れられない出来事です。 カブト工業様の企業理念「名を惜しむ誠の武士の心意気」通りのとても義理堅い社長とお付き合いさせていただき感謝しかありません。
編集後記
インタビューの後には、社長室でコレクションされている甲冑の兜を拝見させていただきました。ずらりと並ぶ兜からは圧倒的な存在感を感じました。