
課題と解決
解決ポイントを教えてください。
課題
コロナ流行による売上激減
建設費が融資可能額内に収まらない…
解決
システム建築を採用し低コストで建設
移転に合わせて大きくリブランディング!
Introduction
六花酒造株式会社について
辛口でキレのある味わいが特徴の日本酒「じょっぱり」を長年製造されてきた創業300年を超える青森の老舗酒蔵です。 2023年の新工場建設と共に製品をリブランディングし、新たなブランド「杜來(とらい)」と「JOPPARI」を製造。 岩木山の伏流水や白神山地の天然乳酸菌など、地元青森の素材を活かしながら、製造方法も全て吟醸造りの純米酒で醸造する拘りの酒となっています。



feature article
お施主様の声
老舗酒造が挑む「新たな酒づくり」
300年以上の歴史を誇る六花酒造株式会社(青森県弘前市)は、老朽化やコロナ禍による売上減を機に、酒蔵の移転・新工場建設、さらにはリブランディングに踏み切りました。 地元のオサ建設工業株式会社が提案するyess建築を採用し、使いやすい動線と衛生管理を両立した新工場を短工期で実現。 新たな酒づくりを始めました。新工場建設の背景と導入のポイントを、代表取締役社長 北村 裕志 様に伺います。

六花酒造株式会社 本社工場
思い切ってリセット―
新工場建設とリブランディング
―津軽の酒文化を支えてきた六花酒造様が、移転・新工場の建設を決めたきっかけは?
当社の代表銘柄である「じょっぱり」は、津軽弁で“頑固者”を意味し、昭和40年代の甘口全盛期にあえて辛口を貫くという、六花酒造ならではの挑戦心から生まれた酒です。
「意地っ張りで妥協しない」―そんな心意気で酒づくりを続けてきましたが、長年使い続けた4千坪もある巨大な工場の老朽化は大きな悩みの種でした。
移転の構想自体は15年ほど前からあったのですが、実行に移すタイミングがなく先延ばしになっていたところ、コロナ禍で売上が激減し「このままではいけない」と、ついに決断しました。

代表取締役社長 北村 裕志 様(左)と 取締役 杜氏 河合 貴弘 様(右)
―リブランディングにも踏み切られたそうですね。
「誰にも似ていない酒を造る」という信念は大切にしながらも、時代に合った新しい酒造りに挑戦したいと考えています。杜氏には、自由に新しい酒を創り出してほしいと考え、当社としては“リセット”に近い気持ちでリブランディングを進めています。
―ご依頼いただいた決め手は?
はじめは大手の建設会社にも相談していたのですが、見積もりが融資可能額を大きく超えてしまいました。どうしようかと悩んでいたところ、銀行からyess建築を扱うオサ建設工業さんを紹介していただきました。担当の方がとても親身でしたし、こちらの要望を丁寧に拾ってくれたので「お任せしよう」と決断しました。

―新工場の建設にあたって、不安はありましたか?
青森は雪がたくさん降るので「システム建築で大丈夫なのか?」という不安はありましたが、完成してみると、いらぬ心配だったと分かりました。
また、工期も大きな課題でした。旧工場を解体しながら新工場を建設していたので、その間は製造が止まってしまいます。売り物がない状態が続き、資金繰りがさらに厳しくなるため、一刻も早く新工場を稼働させたいと思っていました。真冬の工事ながら降雪量も少なかったことも幸いし、システム建築ならではの短工期を最大限に活かせました。12月に着工して6月には竣工できたので、非常に助かりました。
―完成した新工場はいかがですか?
新工場は杜氏を中心にプランニングを進めました。オサ建設工業さんと何度も打合せを重ねながら動線や排水にこだわった結果、清潔感のあるコンパクトな造りになりました。蔵人たちからは「作業しやすい」「動きやすい」と好評です。

メイド・イン・青森を世界に発信する
―新しい日本酒ブランドが生まれたそうですね。
「杜來(とらい)」というブランドを作りました。その土地ならではの自然環境や人の営みが酒の味わいや品質に反映されるという「テロワール」の考え方を大切に、米や水はもちろん、微生物や酵母まで青森のものにこだわっています。
今後も老舗という看板に甘んじることなく、時代に合わせて柔軟に変化していきながら、津軽の風土と伝統を活かした日本酒造りをさらに高めていきたいです。そして、メイド・イン・青森の新たな魅力を日本のみならず世界へ向けて発信していきます。

オサ建設工業株式会社
工事部
工藤 慎太郎 様
求められていた「酒造らしさ」を予算内で実現するため、何度も打合せを重ねました。工事の時期がちょうど冬でしたが、幸いにも雪が少なく、短工期でお引き渡しすることができました。リブランディングという節目で本社の建設に携わることができ、大変光栄に思います。
編集後記
当日は工場内の蔵も見学させていただきました。芳醇な香りのなか覗き込んだ樽の中では酵母がぶくぶくと発酵していて、酒が生きていることを実感しました。後日、直売所で購入したお酒をいただきましたが、その素晴らしい味わいに感動。「こんなに美味しいお酒が、yess建築の建物から生まれているんだ」と、改めて大きな喜びを感じました。
施工概要
| ビルダー | オサ建設工業株式会社(青森県) |
|---|---|
| 竣工年 | 2023年04月 |
| 都道府県 | 青森県 (map) |
| 建物機能 | 鉄骨造 平屋 |
| 建築面積 | 889㎡ |
| 取扱品目 | 日本酒 |
